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2019.02.05
芙蓉開発(株) 自社技術による高齢者における肺炎検知法を発表
芙蓉開発株式会社(※1)(本社:福岡県福岡市、代表:前田 俊輔、以下芙蓉開発とする)は、医療法人芙蓉会筑紫南ヶ丘病院(所在:福岡県大野城市、理事長:伊達豊)、及び国立大学法人長崎大学大学院医歯薬学研究科の青柳 潔教授と共同研究により、自社技術で高齢者のバイタルデータをスコアリングして肺炎を検知できる方法を発表しました。

高齢者は自身の体調変化に対する自覚症状が乏しく、加齢によりバイタルデータが一般成人の基準での判断には課題があると言われています。そのため現場職員の経験や勘でカバーしてきましたが、人材不足に悩む介護施設では職員の目だけでは状態悪化を初期の段階でと捉えることも難しく、容態が重くなってから気づき、重症化するケースも少なくないと考えられます。また、昨今の医療改革のあおりを受け、病院は「治す医療」のみの役割とされ、療養病院などで受け持っていた「癒す医療」は今後は介護施設で担うとされ、「施設での健康管理」の重要性が高まっています。またその影響を受け、このままでは療養病院の過半数が介護医療院になるとの予測もあります。
高齢者を取り巻く環境がこのように変化するなかで、医療資源の乏しい介護施設などで比較的に容易に測定ができるバイタルデータを用いた重症化予防の検証はほとんどありませんでした。
芙蓉開発ではそのバイタルデータ分析・管理に着目し、ICT健康管理技術を開発していています。今回は、この技術により、長崎大学と共同し介護施設から収集したバイタルデータを分析し、肺炎の医療介入に対するカットオフの検討を行いました。

■本研究に用いた技術について
今回用いた技術はバイタルスコアリング法と言い、収集したバイタルデータを分析し、統計学に基いて異常値を検知する特許技術に加え、その異常のレベルからそれぞれのバイタルデータに点数をつけるという手法です。異常のレベルが高くなれば、点数も高くなります。芙蓉開発のバイタルスコアリング法は世界中で使用されている早期警告スコア法(Early Warning Score)(※2)と異なり、絶対値基準ではなく、テーラーメイドの個人ごとの基準で点数をつけることで、高齢者の非典型的、かつ加齢によるバイタルの生体変化に対応し、早期発見を可能とする技術です。

この手法は、体温や血圧といった、専門の職種でなくても簡単に測定可能なデータから、高齢者の容態変化を捉えられることが特徴です。今回の研究では、高齢者に多い肺炎に対して検証を行いました。

■研究概要
介護付有料老人ホーム メディカルケア南ヶ丘の利用者を対象とし、2016年9月~2018年9月までに収集したデータを解析対象としました。延べ280名の高齢者に対し、バイタルデータを毎日収集しました。高齢者の肺炎入院時に搬送先の医療機関で測定したバイタルデータ(※3)をもとにバイタルスコアリング法を行いました。

本検証では、以下の結果が得られました(n=66)。
・肺炎入院時における対象者のスコア平均値は3.4であった。
・スコアのカットオフポイントを3とし、3以上を肺炎陽性とした場合、肺炎入院に対する陽性反応的中度0.75、陰性反応的中度0.87、感度0.61、特異度0.93であった。

引き続き、肺炎については対象施設及び症例数を増やして検証中です。また心不全に対しても検討を行っています。

なお、本研究成果は2018年10月11日~12日に開催された、日本慢性期医療学会において、発表済みです。
また本研究は、平成29・30年度 厚生労働科学研究 政策科学総合研究事業(※4)(臨床研究等ICT基盤構築・人口知能実装研究事業)の支援を受けて行われました。

印刷用PDFはこちらから。

※1 芙蓉開発株式会社
芙蓉グループ全体を通して、医療機器の開発を始め、医療法人として病院や介護施設の経営、建設・不動産などの事業を展開しています。病院や介護施設といったグループの資源を生かし、日本の遠隔医療や医療用AIの可能性と有用性について検証・啓蒙活動も行っています。

※2 早期警告スコア法
バイタルサインのスコア化は、欧米を中心に1990年代後半から使用されている手法です。「複数のバイタルの悪化、または単一のバイタルの大きな悪化によって臨床的憎悪が見られる」という原理に基づいています。

※3 バイタルデータ
検討に用いたバイタル項目は、体温/脈拍/血圧/呼吸数/血中酸素飽和度です。

※4 厚生労働科学研究 政策科学総合研究事業
厚生労働科学研究は、国民生活に深くかかわる保健、医療、福祉、労働分野の課題に対し、科学的根拠に基づいた行政政策を行うため、厚生労働省により、推進される研究活動。研究成果は、安全・安心な国民生活の実現のために生かされています。
このうち、政策科学総合研究事業は人文・社会科学系を中心とした人口・少子化問題、社会保障全般及び厚生労働統計に関する研究の推進、社会保障を中心とした厚生労働行政施策の企画立案及び効率的な推進、統計・情報の整備及び利用の総合的な推進、情報通信技術を用いた医療情報の臨床研究等への活用の推進、人工知能の医療への応用並びに保健医療分野の倫理的・法的・社会的課題の解決に資することを目的とする研究事業が認定されます。

【本件に関するお問い合わせ】
芙蓉開発株式会社
 報道関係 戦略企画室 担当: 中野/TEL: (092) 471-8585
 お客様 営業企画部 担当: 松山/TEL: (092) 292-9070
                                    以上
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